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Cafe Bossa

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LOVE MATSUO SUZUKI

2011年1月13日 (木)

【鑑賞】母を逃がす

1999年に初演。
キャストもおおかた代わらずの再演作品です。

10年の歳月を経ても、楽しく見られ、
心の衝撃を与えるのは、作品の力なんだろうなと思いました。

前作「サッちゃんの明日」と比べ今回は客演もなく、
劇団員同士の安心した空気感でやっている感じがしました。

東北のある架空の村(農楽天)で
頭目一家の兄・弟・妹を巡る出来事。
父を刺し服役中の兄(皆川猿時)
兄の元嫁と結婚し、自分に生命保険をかける弟(阿部サダヲ)、
レズビアンになった妹(平岩紙)。
その兄が有能な弁護士のおかげで村に戻ってきてしまうことで
均衡に見えた人々の歪みがあらわになってくる…。


その歪みというのは、昼メロを5本ぐらい合わせたような
どろどろ具合です。

松尾スズキさん脚本なので
TVや映画の宮藤作品と比べると、暗さのトーンが色濃いです。重たいです。

だから何て言うか
『クドカンの劇団のをみよう』
みたいなテンションでいっちゃうと、
違うと思うんです。

宮藤官九郎の、
ホラーで重たい、『鈍獣』『印獣』にくらべても、
もっとずっしり重いです。
宮藤さんは若い・無機質な重さだとすると
松尾さんはもっと有機的な、血のしみこんだ土の重さ。

宮藤さんが『一般的にこういう人いるよね?』という
話しかけだとしたら

松尾さんは『うちの親戚のさぁ』という感じ。

なんていうか、逃れられない血縁の重さや残酷さを感じるんですよね。


作風が似ている部分があったとしても、奥底が違うように思いました。


けれど劇団員各の持つパワーで、とにかく腹筋が痛い。。。

特にTVではもう余り見られない、
阿部さんと宮藤さんの掛け合いなんていうのは破壊力満点です。

宮藤官九郎・阿部サダヲ・荒川良々・平岩紙・星野源は
まだ認識もしやすい事だと思いますが、
他はいくらうまくてもTVではなんとなく見たことのある位の人たちですが、
彼らこそ安定感があり、とにかくやりきってくれる人ばかりです。

初演には出ていなかった、3人の役者さんも、
今後を期待させるような仕上がりでした。
その3人がすっかり世界観になじんでいたのは
戯曲後書きにかかれていた
「あてがきをしなかったの」
という、役者が入れ替わってもぶれない、
作品の持つバランス感覚のおかげもあると思います。

カーテンコールがショー形式で
「魅惑のカーテンコールショー」と銘打ち
役が、志半ばで絶命した二人(吐夢さんと紙ちゃん)がドレスアップして登場。
各役者の紹介をするのですが
「お芝居が上手 阿部サダヲさん」
「ゲゲゲの女房ではゲゲゲ役 宮藤官九郎さん 今日は両腕ありますよー」
というような紹介の後に
松尾スズキさんが登場して中島美嘉を斉唱して終わる…
という
最後の最後まで愉しませてくれる作品でした。

そしてやはり、
阿部さんは主演オーラのある役者さんで、
宮藤さんは色気があるなーと
再確認しました。

大人計画は絶対今後もみたいな。

2010年2月 7日 (日)

【考察】鈍獣と印獣とそのあいだ

なんか、どっかの作家のコラボタイトルみたいになりましたが

一切!関係ありません。

公演パンフに書いてあるですよ。

前エントリの「印獣」が

宮藤官九郎さんの中で「作家こらしめ三部作・完結篇」だと。

というわけでそのことを考察なんぞしちゃおうかと思います。

タイトルにあるとおり、鈍獣が、その最初であることは明白で

印獣と対を成してるのはわかるのですが

3部作。

つまりもう一つあって、それが「ウーマンリブ先生」だそうです。

そっか、そう来るか、と思いました。

というわけで、畳みます。

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2009年11月17日 (火)

【鑑賞】サッちゃんの明日

松尾スズキさんと、

役者としての宮藤さんが見られるということで、

風邪引き気味ですがウキウキして見に行きました。

大人計画「サッちゃんの明日」@OBP円形ホール・10月17日マチネ

「松尾スズキ風朝ドラ」という宣伝文句のこの作品は、

ちっちゃなホールで濃密な空間で行われました。

濃密な時間でした。

以下STORYとネタバレを含みます。

どうぞー。

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2008年3月 4日 (火)

歓喜の歌×演劇

最近お仕事中に歌う鼻歌が
歓喜の歌byベートーベンです。
第九です。


以前に書いたCOMPOSERは、
ベートーベンの人生を背景に歓喜の歌が作られたところを描く作品でした。

それはそれですごく心に残った作品です。


その歓喜の歌をエンディングに配した、
日本総合悲劇協会の
「ふくすけ」という作品があります。

同じ曲をしてこうもストーリーが違うのかと思いました。

本当に救いようのない話です。

エンディングは曲なしでみると多分すごく残酷ですが、
曲とラストの台詞があることで
なぜか清々しさを感じた私は残酷なんでしょうか。


以下ネタバレ含みます

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2007年11月 1日 (木)

鑑賞☆クワイエットルーム

*ネタバレを含みます。


「クワイエットルームにようこそ」
監督・脚本・原作:松尾スズキ

「秋の松尾ちゃん祭」ど真ん中なんで、
レイトショーでもまあまあの入り。

携帯バイブ音はなってたけど、
しゃべる人はいない、
まぁ良い環境でした。
席広いし。


まず、発売と同時に原作読んで、
「明日香は私…」と
思いました。

入院歴はないけど、
彼を追い詰めて、
結果別れに繋がるところとか。
同感してしまった訳です。
ばついちではないけど。
人死んでないけど。


映画化を聞いた時も
「この内容はムリかも!」と、
警戒していました。
活字だからなんとか
冷静を保って見られていたのに、
これではフラッシュバックを起こしてしまうカモ。


なぜ見たのかというと
それが松尾色になったときの姿を見たかったのと、
多分、松尾さんならあるべき姿のまま、楽しいessenceを付けて描くんだろうと
思ったからです。

大丈夫でした。


冒頭のミキの
「私、人に迷惑かける人って嫌い」
とか
西野さんの
「あんた重いよー」とか
鉄ちゃんの
「うっとうしい」
とか。

とにかく、突き刺さる台詞は多いけど

ミキ(蒼井優)の台詞の後は
水原さん(ハリセンボン箕輪)の鼻水が、
西野さんの台詞のあとは、
「こんな顔するんだ…」な大竹しのぶの顔が、
すぐ笑わせてくれる。

描いてる世界は現実深刻な精神科閉鎖病棟なんだけど、
入ってしまえば楽しいのかも?
なーんて思ってしまう程。

「おもしれっ!」と
思える目線が、ステキだと思いました。

宮藤官久郎演じる鉄ちゃんの
優しいけど、流される弱さとか
ちゃんと生きてることに
泣いてたあげられる
ところとか
……………
かっこよかったし、
おしりキレイでした。


「それでも私は生きている」


小説や映画のメジャーな世界で
しっかり存在する
この作品は
私の宝物です。


演劇はインディーズ。
そのインディーズも楽しみたいところ。

2007年8月21日 (火)

鑑賞☆ドブの輝き★

※この日記はネタバレを含みます


松尾スズキさん。私が読書の対象を戯曲に移した時、ハマった作家の一人。

彼が主宰する劇団大人計画の最新公演。そして松尾さんが体調を崩して降板した公演。

3部構成です。

1部は宮藤官久郎(劇団員)脚本・演出の「涙事件」
ハンディキャップ演歌を巡った殺人事件の裁判の経緯・処刑の話。


2部は井口昇の短編映画「えっくす」

3部が松尾スズキの「アイドルを探せ」
自殺しにきた人を止めるゴミ達が、話を聞く話。アイドルのマネージャー、アイドル、アイドルを探してるヤクザ、アイドルと付き合いたい団体。ゴミの団体。
そして、錦鯉。

阿部サダヲは、出てくるだけで、看板俳優のオーラ全開で来ます。

皆川さんは、涙事件の出てきかたはキモい。

女性陣は足がキレイ。すごい。脱げる体型を保つのはすごい。

宮藤さんは、舞台でみるとほんまに色気がある。テレビのクドカンは始めは苦手だったけど、舞台見て好きと思った。

そして、降板した松尾さんの代わりに出た池田成志さん。

濃い。特に宮藤さん脚本のはアテガキかと思った。ほんまにそんな演歌歌手いそうだもの。

そして松尾さんのホンのはめっちゃあの役おいしいなと思う。

エンドレス〜おこめ券ストーリー〜♪

この歌、たしか大人フェスでもやってたなー。頭を回るってことは、名曲。

ということで、なかなか見るに堪えない場面もちらほらあるのですが、好きです。こーゆー、なーんか重い作品。


そしてこの3部は、いくつかの共通する部分あるんですが…まあ、いいや。